メルカリやヤフオクでの象牙取引が活発化。メルカリは法規制の対象外にある
パンダのマークでおなじみ、自然環境保護の国際的NGO「世界保護基金WWF」。
同NGOは最新レポートにて、ヤフーショッピング・ヤフオク・楽天市場・メルカリなど日本の主要eコマースサイトにおける象牙取引の報告を行いました。
今回発表されたレポートは「日本におけるインターネットでの象牙取引」。
商取引の多様化が進み、オンライン店舗のほかネットオークションや個人向けフリマサイトなど、新たな媒体でも活発な商取引が行なわれる状況にある昨今。それを受けレポートにおいても「日本におけるインターネットの象牙取引は2014 年に比べて、多様化していると言わざるをえない」との結論がなされています。
・メルカリ・ヤフオク等 eコマースサイトでの象牙取引、全体のポイント
レポート「日本におけるインターネットでの象牙取引」から。
・日本の象牙産業そのものは、ワシントン条約で象牙の国際取引が禁止された1989年と比べ10分の1程度にまで縮小
・しかし2012年ごろから、日本から中国など海外市場への象牙の違法な輸出が相次いぐようになった
注:ワシントン条約…絶滅のおそれのある野生動物や野生植物、それらを用いた製品の国際取引を規制する条約。
・インターネットでのオンライン象牙取引については、2014年の調査と比べ、楽天市場での取り扱い店舗は半数に減少している
注:その後、象牙製品は楽天市場において2017 年 7 月1 日付で禁止商材に
・一方ヤフーショッピングでは、楽天市場より多くの取り扱い店舗が確認(58 店舗)された。またヤフオクでも、2014年比で検索ヒット数が52%増加している
・今回新たに調査したC to C(ユーザーが直接取引を行う)サイトでは、メルカリにおいて多数の出品が確認される
・メルカリでは一週間平均で143 個の新たな象牙製品が出品され、ワシントン条約に違反してアジアやアフリカから持ち込まれたアクセサリーの販売も確認された
・各取引サイトによって取扱品目の傾向が異なる。メルカリなど急成長を見せる C to C マーケットは個人所有のアクセサリーの取引に利用されている
・メルカリなど新たな形態の販売サイトの登場により、日本におけるインターネットの象牙取引は 2014 年に比べて多様化
・現在の日本の法体制では、全形象牙以外の象牙製品における個人間の取引が全く規制されていない
・全形象牙
・メルカリでは一週間で143 個の新たな象牙製品が出品
「多数の象牙商品がヒット」と報告されているメルカリですが、確かに同サイトをのぞくと、多くの象牙商品が取引されていることが確認できます。
・メルカリは完全に法の監視対象外にある
レポートでは「ヤフーショッピングや楽天市場などサイバーモールでは法による合法的な販売と、運営企業のモニタリング活動による国内法遵守状況の改善が確認された」と報告。
その一方で、「ヤフオクなどオークション、メルカリなどC to C マーケットサイトでは規制対象外にある個人の利用が中心であるため完全に監視レーダーの外にある」としています。
・e コマースの各形態において種の保存法が規制する範囲
ヤフーショッピング・楽天市場 | ヤフオク | メリカリ・ラクマ | |
出品者に対する規制 | あり | 事業者に対してあり | なし |
製品に対する規制 | 全形象牙・ハンコ製品 | 全形象牙のみ |
・各プラットフォームでの象牙取引品目の様子(ヤフオク・メルカリ・ヤフーショッピング)
取扱品目は各サイトごとに様子が異なり、業者出品が多いヤフーショッピングでは調度品が多い一方で、個人出品でかつ女性ユーザーが多いメルカリではネックレス等の装身具が多いようです。
・各プラットフォームでの象牙取引の様相
【品目の説明】
装身具…ネックレス、イアリング、ブローチ、ループタイ、帯留など
調度品…根付、彫刻、香炉など
食卓用品…箸、箸置き、楊枝
和楽器:撥(バチ)、三味線、琴、糸巻、琴柱、琴爪、ギターのサドルなど
・ヤフオク(サイバーモール)
・メルカリ(C to Cマーケット)
・ヤフーショッピング(インターネットオークション)
参考文献
WWEジャパン「日本におけるインターネットでの 象牙取引 ―アップデート―」2017年8月7日
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