沖縄知事選’18、支持政党別に見た18年と14年の違い
支持政党ごとに見た、有権者の18年と14年の違い
9月30日に投開票が行われる沖縄県知事選。
激戦が伝えられている今回の知事選ですが、有権者の支持政党別に、今回2018年と前回2014年の傾向の違いを探ろうとしたのが下の表となります。動向データは、ほかのメディアよりフラットなデータとなりやすい読売新聞から取得しました。
・支持政党ごとに見た、有権者の18年と14年の動向の違い
有権者の支持政党 | 2018年の動向※1 | 2014年の動向※2 | 17年衆院選における、沖縄県での比例代表得票数と得票率 |
自民党 | 佐喜真氏8割 | 仲井真氏7割、翁長氏2割 | 1位:140,960票 / 22.42% |
公明党 | 佐喜真氏8割 | 仲井真氏4割、翁長氏3割 | 2位:108,602票 / 17.28% |
立憲民主/民主党 | 玉城氏9割 | 翁長氏7割 | 3位:94,963票 / 15.11% |
共産党 | 玉城氏9割 | 翁長氏大半 | 5位:75,859票 / 12.07% |
社民党 | 玉城氏9割 | 翁長氏大半 | 6位:70,876票 / 11.27% |
日本維新の会 | 不明(維新の会は佐喜真氏推薦) | 下地氏一定 | 7位:45,815票 / 7.29% |
無党派層/支持政党なし | 玉城氏5割 | 翁長氏6割弱、仲井真氏1割強 | 調査で支持政党なしが「46%」※3 |
※1,2:有権者の支持政党別動向は、読売新聞のもの
※3:2017年4月に沖縄タイムス実施の「沖縄県民意識調査」から
最大ボリュームである無党派層は、5割が玉城氏
沖縄県と日本全国では、支持政党の傾向にそう違いがあるものではなく、例えば沖縄タイムス2017年4月調査によれば自民党が最多で20%、支持政党なしは46%。
すなわち日本の他地域と同様、沖縄でも最もボリュームある層となっている無党派層ですが、今回の選挙において、この無党派層の有権者の5割が玉城氏に投票すると回答。6割が翁長氏に投票すると答えた前回知事選とそう変わるものではありません。
ほか自民党を支持する有権者の8割が佐喜真氏、立憲民主党などリベラル政党を支持する有権者の9割近くが玉城氏に投票すると答えています。
沖縄で抜群の強さを見せる公明党の動向が、勝敗を占うのか
ほか注目したいのは、公明党支持者の動向でしょう。なにしろ沖縄県における公明党の強さはバツグンでして、毎回の比例代表選挙においては、15%以上の得票率を安定して稼ぎます。
実際、2017年衆院選比例代表選挙において公明党は沖縄県で17.28%の得票率でした。これは同選挙で「立憲民主党」「希望の党」の得票率を上回り自民党に次ぐ得票率だったのみならず、沖縄県は公明党の同比例代表選挙得票率として全国トップとなっています。
・2017年衆院選比例代表選挙、沖縄県における得票数と得票率ランキング
順位 | 政党 | 得票数と得票率 |
1 | 自民党 | 140,960票 / 22.42% |
2 | 公明党 | 108,602票 / 17.28% |
3 | 立憲民主党 | 94,963票 / 15.11% |
4 | 希望の党 | 84,285票 / 13.41% |
5 | 共産党 | 75,859票 / 12.07% |
6 | 社民党 | 70,876票 / 11.27% |
7 | 日本維新の会 | 45,815票 / 7.29% |
・2017年衆院選比例代表における公明党の得票率、都道府県別ベスト5
順位 | 都道府県 | 得票率 |
1 | 沖縄県 | 17.28% |
1 | 福岡県 | 17.28% |
3 | 宮崎県 | 16.67% |
4 | 和歌山県 | 16.62% |
5 | 岡山県 | 16.54% |
全国平均 | 12.51% |
公明党が仲井真氏への推薦を行わず自主投票となった結果、仲井真氏4割・翁長氏3割と票が割れた前回2014年と異なり、今回は党が推薦を決めた佐喜真氏に公明党支持者の8割が投票をおこなうそう。
そう考えると今回の選挙戦が白熱することには、さもありなんと言った感があります。
参考文献
読売新聞「沖縄知事選、翁長氏が先行…追う現職・仲井真氏」2014年11月9日
読売新聞「玉城、佐喜真氏激しく競る…沖縄知事選情勢調査」2018年9月24日
沖縄タイムス「【政党支持率】自民20%で最多 「支持政党なし」は46% 沖縄県民意識調査」2017年4月25日
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