グローバル化で、先進国から途上国へと「輸出」される公害。環境クズネッツ曲線と要素価格均等

環境
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グローバル化はすなわち、公害を先進国から途上国へ「輸出」していることにほかならない

 

以前紹介したように、貿易の自由化・グローバリゼーションは、基本的に発展途上国において貧困者の減少と格差の縮小をもたらす。これは理論的には、ストルパー=サミュエルソン定理というものが知られているし、データ的にも整合的である。

グローバル化は先進国では格差拡大を、途上国では貧困者減少をもたらす。ストルパー=サミュエルソン定理と底辺への競争
グローバル化は先進国では格差拡大を、途上国では格差縮小と貧困者減少をもたらす。ストルパー=サミュエルソン定理と底辺への競争 ・中国との貿易が先進国の格差を拡大させる。「ストルパー=サミュエルソン定理」 2016年、反グローバリズム・...

 

だからといって、途上国にとってグローバル化が諸手を挙げて万歳というわけではない。上記のメリットは、あくまでも経済的恩恵にすぎない。

 

例えばグローバル化が進んで先進各国がさまざまなモノを輸入に頼ろうとすると、生産側である発展途上国においては、コスト面を考慮し環境規制がどうしても緩くなる。当然のことながら、環境規制を厳しくすると価格競争力で劣るようになるからだ。

1970年に制定されたアメリカの大気浄化法改正法、通称「マスキー法」に対し、アメリカやヨーロッパの自動車メーカーの多くは反対した。ただ、いち早く対応したホンダのシビックが、世界的な大ヒットとなったのは面白い。これが環境規制の副作用として可能となった低燃費が、石油ショック後のエコ時代にうまくマッチングしたことによる。

 

話は戻るが、「環境クズネッツ曲線」というものが知られるように、1960~70年代に日本で問題となった大気汚染や光化学スモッグ、水質汚染などの公害が現在では見られない。一般的に、経済発展が進み先進国になるにしたがって環境汚染は生じなくなっている。

これは所得水準の向上とともに、環境規制の技術や制度が整い、人々が環境をより重視するようになることによる。よって先進国では概して環境規制が厳しい。

 

・環境クズネッツ曲線

 

環境規制も相まって先進国でモノを作るのにはコストがかかるようになるから、一層途上国でさまざまな製品が作られるようになる。

 

結局、グローバル化が進み環境規制の緩い発展途上国(中国など)から規制の厳しい先進国(日本など)へ商品を輸出することは、先進国から途上国へ公害を「輸出」または「移転」していることにほかならない。

【中国の公害を伝えるドキュメンタリー(英語)】

The Devastating Effects of Pollution in China (Part 1/2)

 

 

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