自殺に関する統計5種

社会
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自殺に関する統計5種

 

①:自殺者数の推移

出典:厚生労働省「自殺対策白書」

平成10年(1998年)以降、14年連続して3万人を超えていた自殺者数も、平成22年から減少の一途をたどり、平成24年(2012年)には15年ぶりに3万人を下回った。

平成27年(2015年)は2万4,025人と、前年に比べ1,402人減少している。

【ポイント】

・2010年以来、自殺者数は減少傾向にある

 

 

②:自殺における年齢階層・男女比較

出典:厚生労働省「自殺対策白書」

平成19年と27年において、性別・年齢階級別の年間自殺者数に占める構成比を検討すると、男性50歳代において、顕著な低下を示していることがわかる。

一方で、男女とも70歳代、80歳以上では構成率が増加している

このことに対し、厚生労働省「自殺対策白書」は次のように結論付けている。

40歳代以上(特に50歳代及び60歳代)の自殺死亡率が低下していく中で、40歳代、70歳代、80歳代の人口に占める構成比が増加したことによるものと考えられる

すなわち、40歳代以上の自殺死亡率そのものは低下しているが、「世の高年齢化」によりこれらの人々の占める率が高くなったことが結果につながっているようだ。

【ポイント】

・世の高年齢化は、「自殺する人」の構成にも変化を及ぼしている

 

 

③:科学的に、男女での自殺の発生の差は「ある」といえるか?(χ2検定)

出典:厚生労働省「自殺対策白書」

上の「②:自殺の発生における年齢階層・男女比較」でもわかる通り、自殺の発生においては、男女差で差が見られる。

この違いは、「偶然」に見られるものなのかそれとも「科学的裏付けがあるもの(有意差あり)」なのか、どちらだろうか。

大学学部生の自殺に対する21年間の調査から見るに、やはりというか「科学的裏付けがあるもの」となっている(χ2検定 P<0.01)。

 

すなわち、「男性のほうが自殺しやすい」と明確に言える。

【ポイント】

・「男性のほうが自殺しやすい」と、科学的にも言える

 

④:大学生における、学部別・男女別の自殺率

注:

「↑↑」「↓↓」 は、χ2検定・p<0.01・1%水準で有意に多い、少ないを示す

「↑」「↓」 は、χ2検定・p<0.05・5%水準で有意に多い、少ないを示す

【ポイント】

・必ずしも全ての学部に当てはまるわけではないが、男子学生のほうが自殺しやすく、統計上も有意。

・ただ獣医学部など当てはまらない学部もある。

 

⑤:自殺と経済状況による関係はあるか(相関関係)

出典:厚生労働省「自殺対策白書」

「自殺と経済状況が関係ある」という話は、直感的にも理解しやすいため、巷ではよく聞かれる話である。

実際、厚生労働省自殺対策推進室の分析によれば、景気動向指数(CI一致指数)の増減と「経済・生活問題」による男性の自殺者数の増減には、負の相関関係(-0.72)があった(冒頭の図)。

 

ただ、このような時間的に変化した情報を持つデータ(時系列データ)の相関係数は高い相関を示すことがよくあるため、必ずしも今回の相関係数の数値の高さをもって「関係がある」と結論を下すのは得策ではない。そもそも相関関係は因果関係を示さない。

【ポイント】

「自殺と経済状況の関係はある」とは、必ずしも言えない。「統計上の見かけのトリック」の可能性がある。

 

 

参考文献

厚生労働省「自殺対策白書」

内田千代子「21年間の調査からみた大学生の特徴と危険因子」精神神経学雑誌 第112巻第6号(2010) p.543-560

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